2018年1月9日
（内容）
手紙の著者は、受取手について嘆いています。受取手は、教師になっているはずなのに、神の言葉の初歩を教えてもらわねばならない状態だ、さらに固い食物の代わりに乳を必要とする始末だと。そして成熟を目指して進もうと進めます(12節)。
(黙想)
- ここには固い食物と乳の対比があります。パウロはコリントの信徒への手紙一3章で霊の人と肉の人について語ります。肉の人とはキリストとの関係で乳飲み子とされる人です。この肉の人にパウロは、乳を与え、固い食物は与えませんでした。なぜなら乳飲み子は固い食物を食べることができないからです。固い食物は霊の人が食べるものです。霊の人はキリストとの関係では大人です。肉の人は「ただの人」（コリント一3:3）、つまり信仰を持っていない世の人と同じ行動をしている人です。御言葉によって生きていません。信仰者としてはまだ幼子、乳飲み子、これから成長すべき存在です。
- ペトロの手紙一2:1～2 「だから、悪意、偽り、偽善、ねたみ、悪口をみな捨て去って生まれたばかりの乳飲み子のように混ざり気のない霊の乳を慕い求めなさい。これを飲んで成長するためである」。
- 信仰者には、生まれたばかりの乳飲み子のような人と大人がいることが分かります。大人は固い食物を食べます。成長の度合いはキリストとの関係で決まります。乳飲み子は信仰者としては生まれたばかりです。この世の人々と同じような歩みをしています。ペトロの手紙一では、乳飲み子とされる人は、悪意を抱き、偽りを語り、その行動は偽善的で、さらに悪口を言ったりします。コリントの手紙一の3章では、ねたみや争いが絶えないと書かれています。
- ヘブライ人への手紙6章1～2節で基本的な教えを学び直すようなことをせず、キリストの教えの初歩を離れて成熟を目指しましょう、と勧めています。教理がキリストの教えの初歩とされています。教理を身につけることは初歩の段階で、さらに成熟を目指そうとすすめられます。成熟するためには固い食物を食べることが必要となります。
- この手紙は、これまでキリストが多くの苦しみを味わい、従順を学ばれたことを書いています。み言葉に具体的に従って生きることが成熟した信仰者、キリストとの関係で大人と言えます。信仰は神さまとの交わりに生きることですから、この交わりに生きる人は神さまのみ心をだいじにする人であり、神さまに、御言葉に従順に生きる人となります。
- この手紙はエジプトでの奴隷状態から神さまによって解放され、自由に生きる地へ旅するイスラエルの民のことを語っています。彼らは旅の途中で困難に直面すると不平を言い不満を抱きました。「約束の地に連れて行く」との神さまの約束を信仰によって受けとめることをしませんでした。結果として約束の地に入れませんでした。信仰者はイスラエルの民の不信仰にならってはなりません。むしろイエス様がご自身が多くの苦しみを味わい、試練を通られたので、試練の中にある者を助けることがおできになると信じて歩め、と手紙の著者は語ってきました。
- 自分のおかれた具体的な状態の中で、御言葉を味わい、御言葉によって生きる、それが信仰の成長につながります。固い食物も霊の乳も共に神の言葉です。神の言葉を理解するだけにとどまるのは、信仰の初歩の人、乳飲み子です。神の言葉によって生きる人が成長する人です。そして私たちは生きている限り成長を目指す者です。
（聖書に聞く）
☆神が求める私たちの生き方
- （勧め）キリストの教えの初歩を離れて成熟を目指そう。知識だけの信仰から離れて、神の言葉に具体的に従う歩みをして、成長しよう。
（神の導き）
☆祈り
- 天の父なる神さま、あなたをたたえます。私は教会に仕える牧師の働きから引退しました。私には飼うべき羊は目の前にはいません。牧師は羊を飼い養います。福音を伝え、そして教理を教え、信仰とは何かを教えます。つまりキリストの教えの初歩を教えます。さらに羊が成長するように養います。羊が神の言葉によって生きるように導き、また訓練します。固い食物を食べることができるように養います。
- 引退した私には導き養うべき羊は目の前にはいません。あなたはそのような私を導いてくださいました。インターネット上に「御言葉に生きるための提案」というサイトを開設するように導いてくださいました。顔は見えませんが、このサイトを訪れる人に御言葉に生きる方法と、その実際例を紹介できるサイトをあなたは導いてくださいました。感謝します。この時代、与えられた場所、状況で信仰者は御言葉によって生きているという現実を伝えたいと願います。これもまた福音宣教の一つの形と信じます。
- 天の父なる神さま、何よりも私のデボーションを導いてください。御言葉によって歩む者としてください。またデボーションの証しを提供してくれる仲間を増やしてください。
☆与えられた導き
- 何人かの人にデボーションを提供していただくために、先ず祈る。
