ヨハネ福音書 12章1~8節

(内容)

  • イエスは再びマルタの家に行き、夕食の席に着いた。するとマリアはイエスの足に高価な香油を塗り髪の毛でぬぐった。イエスはこれを自分の葬りの準備と受け取った。

(黙想)

  • マタイ、マルコもこの出来事を書いている。そこでは香油をイエスの頭に注いでいる。マタイ、マルコいずれにおいてもイエスはこれを自分の葬りの準備と受けとめている。普通は遺体に香油を塗ることになっている。
  • 頭に香油を塗ることは、王、預言者、祭司の任職式の時に行われる。頭に香油を塗ることはイエスがメシアであることの象徴ということができる。ここでは足に塗っている。
  • ルカ福音書7章には、夕食の席に着いているイエスの足に女性が香油を塗って髪の毛でぬぐったという話がある(ルカ7:38)。家に来客があった時、その家のしもべは客の足を水で洗う習慣があった。イエスの足を香油で塗る女性の行為は、来客の足を清める行為と受けとめることもできる。
  • 高価な香油を無駄遣いしたと非難するユダに対してイエスは「わたしの葬りの日のために、それをとっておいた」と言うが、葬りの前に使ってしまったことになる。
  • しかしイエスはマリアの行為を自分の葬りと関連づけて考えている。マリアの行為を好意的に受けとめている。マリアが何のために行ったのか、イエスがそれを自分の葬り関係づけたが、でもわかりにくい出来事である。
  • マリアが高価な物をイエスのために差し出し、ユダがそれを咎めたことは分かる。この段落は何を伝えようとしているのか。イエスが自分の死を意識していることは確かである。
  • 香油一リトラとは326g。1カップ(200cc)越えるくらいの量か。300デナリオンで売れるというのでかなり高額。一デナリオンは労働者の一日の賃金。

ここまで。

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