ローマ 1章7節(2)神の恵み

2022年6月1日

(内容)

  • 使徒パウロはローマのキリスト者のために、父である神とイエス・キリストからの恵みと平和を祈っている。

(黙想)

  • 恵みと平和は、父なる神、そしてイエス・キリストから来るとある。両者から同じ「恵みと平和」が来ることがあるし、それぞれ別な「恵みと平和」が来るかもしれない。父なる神と子なる神であるイエス・キリストは、三位一体の神であり、別人格であり、その働きも異なる。それゆえ、恵みを種類に従って分ければ、父なる神から来るものと子なる神から来るものとに識別できるのかも知れない。そんな識別などせず、恵みを恵みとして受ければ良いという考えもある。
  • そもそも恵みとは何か。恵みは神の一方的な好意として与えられるものと教えられる。つまり私の行為に対する報酬として与えられるものではなく、神の好意として与えられ、私たちは感謝して受けることになる。
  • 私たちの身には色々なことが起きる。何を恵みとするのか。あることが恵みとなる基準は何か。一般的には、自分が素直に喜ぶことができるものが恵みとなる。しかし素直に喜ぶことができないものは恵みではない、と断定してよいのか。たとえば試練がある。聖書には試練に遭うときは喜べとの教えがある。試練を恵みと受け取るか否か、それは人によって異なるだろう。

ヤコブの手紙 1:2
わたしの兄弟たち、いろいろな試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい。

  • しかし素直に喜ぶことができないことも、神さまのご支配の中で起きることとして受け入れることはできる。あるいは、なぜこのようなことが起きるのかと神に対して疑問を抱き、時に神を恨むこともあるかもしれない。自分の身に起きることをどう受けとめるのか、それは一人一人の自由であり、その人の信仰による。
  • 私は、神の御支配を信じる。しかしこの世に起きるすべてのことが神によってあらかじめ決められているとは信じない。人間は罪を犯すし、この地球は自然科学的な法則に基づき、色々な自然現象が起きる。台風の発生は、自然現象であり、神の直接的な御手の業ではない。しかし台風は時に大きな災害をもたらす。人の命が奪われることもある。神が引き起こしたのかと言われたら、私は「ノー」と答える。神が引き起こしたものではないが、それは神の許可のもとで起きたと信じる。神が制御できないことが起きると信じることは、神の全能を疑うことになる。
  • ハイデルベルク信仰問答には、神の摂理(神の御支配)を次のように語る。

 雨もひでりも、豊作の年も不作の年も、食べ物も飲み物も、健康も病も、富も貧困も、すべてが偶然によることなく、父親らしい御手によってわたしたちにもたらされるのです。

  • 私たちの身には様々なことが起きる。どんなことも、「私たちの身に起きてもよい」との父なる神の許可のもとで起きていると私は受けとめる。この世に起きることは、神の御手によるものと、神の許しの下に起きることがあると考える。そして神が起きることを許さなかった出来事もあるが、それを知ることはできない。
  • そこで何を恵みとするのかは、人による。自分にとって好ましいことを恵みとする立場があり、好ましくなくとも神が恵みとして与えたことがあるかも知れないと考える立場もある。大切なことは神の恵みを感謝して生きること。なぜ、あのようなことが起きたのか、と神に疑問や不信を持ちつつ神に信頼して生きることはむずかしい。
  • 何を恵みとするのか、恵みの範囲が大きいほど、平和は豊かに宿る。自分にとって喜ばしいことだけを恵みとするなら、喜べないことが起きると心の平和は乱される。

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方か
  • <御父>私たちに恵みと平和を与えてくださる方。
  • <御子>私たちに恵みと平和を与えてくださる方。
☆神が私たちに求める生き方
  • <教え> 恵みと平和を与えられ、感謝し、神をたたえて生きること。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神さま、今日も聖書を読むことができ感謝します。今日はあなたの恵みについて思いめぐらしました。私は、自分が素直に喜べないことの中にもあなたの恵みがあると信じます。
  • 今、心を痛めつつ祈っていることがあります。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を覚えての祈りです。ニュースを見て心を痛める日々が続きます。戦争が終わり、ウクライナに平和が戻るように祈っても、なかなか実現しそうにもない現実の中で、心の中に割り切れない思いが残ります。
  • しかし今日、ロシアの軍事侵攻を覚えて祈ることを恵みと受けとめてみようとの思いに導かれました。祈りですから、結果がどうなのかは心に影響を与えますが、祈ることに召されていると考え、祈り続けることとします。思いを転換して祈ることとします。導いてください。
☆与えられた導き
  • ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を覚えて祈ることを恵みと受けとめて祈る

 

 

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