ローマ 10章16~21節 信仰は聞くことから

2025年8月12日

(内容)

  • イスラエルの民は福音を聞いたが信じなかった。しかし神は、彼らが信じるように招きの手を差し出していた。

(黙想)

  • 16節.「すべての人が福音に従ったのではありません」。福音を聞いても、聞いた人が皆従うわけではない。従わなかった代表がユダヤ人である。
  • ユダヤ人は律法を守ることによって義を得られると信じていたので、キリストの福音を受け入れることができなかった。このことは10章の1~4節で語られた。信仰によって義とされることについてパウロは、5~15節で語った。キリストによる罪の贖いの福音を聞く人はユダヤ人であれ、異邦人であれ皆救われる。そして信仰は聞くことから始まるとパウロは教えた(14節)。17節でも信仰は聞くことにより、しかもキリストの言葉を聞くことによって始まると書く。キリストを信じる信仰は、キリストの言葉を聞くことから始まる。
  • ではユダヤ人はキリストの言葉を聞かなかったのか(18節)。聞いたのである。パウロは詩編19編を引用する。

19:5
その響きは全地に/その言葉は世界の果てに向かう。

  • ユダヤ人は聞いたが信じなかったのである。キリストの言葉を聞いたけど受け入れなかったのである。信仰は聞くことから始まる。しかし聞いたら自動的に信仰に結びつくとは限らない。聞いたことを受け入れるか否か、それは聞く人の判断による。受け入れる時、信仰が始まる。
  • パウロは、19節で、イスラエルの人は、分からなかったのかと問う。キリストの言葉が分からなかったから信じなかったのかと問うが、これについてはパウロは答えていない。結果的にイスラエルの人たちは受け入れなかったのである(21節)。
  • パウロはモーセの語った言葉を引用する。申命記32章21節以下である。そこではイスラエルの民は偶像礼拝を行い、神に妬みを起こさせたとある。神はイスラエルの民が神のみを礼拝することを求めているのに、民は偶像礼拝をいた。そこで神は、イスラエルの民に妬みを起こした。そのことがここで引用されている。神は異邦人を信仰へ招いた。神は信じる異邦人たちの神となった。そのことにイスラエルの民が妬みを起こし、イスラエルの民が神を信じるようになることを神は意図したとパウロは語っているように見える。
  • イザヤ書の言葉も、神は異邦人を信じるように導かれたと語る。今、イスラエルはキリストを信じない。しかし異邦人がキリストを信じることを通して、イスラエルがキリストを信じるようになることが、神の御心であるとパウロは語っているように見える。
  • しかし21節で神はイスラエルの民に対して、手を差し伸べていたと語り、神はイスラエルが信じるのを待っていた。彼らの不信仰は、異邦人が神を信じるようになるという結果をもたらした。これは悪いことではない。イスラエルの民がキリストを信じることに失敗したことは、異邦人が信仰に導かれるという結果を生み出した。でもイスラエルの民が神の目に反抗的で不従順であったことは正当化はされない。
  • あらためて思う。信仰は聞くことから、キリストの言葉を聞くことから始まる。聞いたことを受け入れなければ信仰は始まらない。聞いたことを疑えば信仰は始まらない。人間の頑なさゆえ、信じても疑うことがある。聖霊の導きを受ける時、疑いを克服できる。信仰は聖霊の賜物である。

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方か

  • <御父>神はイスラエルにみ手を伸ばし、彼らが信じるのを待つ方である。福音を聞いた人が信じるのを待つ方である。
  • <御父>神は異邦人をも信仰に導く方である。すべての人が福音を信じてほしいと願う方である。
  • <御父>ご自身を現す方である(20節)
☆神が私たちに求める生き方
  • <教え>福音を聞いても信じない人はいる。これは一つの事実である。
  • <教え>信仰は聞くことから始まる。
  • <警告>心をかたくなにしてはいけない。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神、今日も聖書を思いめぐらすことができ感謝します。
  • あなたは「私を探さなかった者たちに自分を現した」とあります。あなたはご自身を知らせるお方です。あなたは、あなたを信じる者には、なおさら、ご自身を現されると信じます。
  • パウロは、「神を深く知ることができるように」と祈っています。私は、あなたのことを深く知りたいです。それゆえ、ご自身を現してください。今、ある悩みを抱えていますが、あなたは私が悩んでおられることをご存じであるとふと思いました。あなたは私のことをご覧になっており、私のことをよく知っておられる方であると知りました。私はあなたの御前に歩んでいることを確認しました。あなたは私の今の悩みをご存じですので、あなたの祈ります。あなたの導きを求めます。導いてください。
  • またすべての人が福音に従ったわけではないとあります。あなたは私を信仰へ導いてくださいました。これからも福音に従い、信仰の歩みを続けたいです。導いてください。わたしの願いは、あなたを深く知ることです。そしてあなたに信頼することです。このことも導いてください。
☆与えられた導き
  • 神を深く知ることができるように、神の導きを祈り求める。

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