2022年5月24日
(内容)
- イエスは、耳が聞こえず、舌の回らない人に対して、耳が聞こえるように、そしてはっきり話すことができるように癒やされた。
(黙想)
- イエスは病人、悪霊に憑かれた人を癒やしている。ここでは耳が聞こえず、うまく話せない人を癒やされた。
- イエスはなぜ、このようないやしを行ったのか。これは普通の人にはできない働きである。それゆえ、このような働きをすれば人々の注目を集めることになる。実際イエスのもとにいやしを求めて多くの人が集った。この聖書の箇所でも人々が、耳が聞こえず舌の回らない人をイエスのもとに連れてきた。イエスは癒した後、人々に、誰にもこのことを話してはいけないと注意した。イエスは人々の注目を集めようとはしていないことが分かる。
- 苦しんでいる人がいるし、自分には癒やす力があるからイエスは癒やされたのか。この可能性はある。苦しんでいる人をイエスは見過ごしにできないところがあったと思われる。憐れみ深い超能力者ということか。しかしイエスは御自分が超能力者であることを示すことを目的としたとは思えない。
- イエスはなぜ、癒やしのことを誰にも話さないようにと注意されたのか。しかし人々は言い広めた。イエスが奇跡を行う治癒者、超能力者であることが言い広められることになる。しかしそれはイエスの願うところではなかった。だから話さないように注意した。
- イエスは神の国の福音を宣べ伝えるためにおいでになった。「悔い改めて福音を信じなさい」。これがイエスのメッセージである。基本的にイエスは宣べ伝える働きをする。口止めすることは伝えることと矛盾する。
- 人々がイエスの奇跡を言い広めるとき、そこでは奇跡だけが注目され、イエスが誰か、何をするために来られたのかという視点はなくなる。これは避けたい。神の国の福音を伝えるために、人々に話しを聞いてもらわなければならない。メシアは人を救う方であるから、救う力のあることを何らかの形で示さなければならない。神の国の福音、つまり神の御支配に生きるように勧めるとき、神の御支配が人間を救う力あるものであることを示すことは必要となる。病気の癒やしは、イエスに力のあることを示す。
- この福音書は私たちが読むためにある。何を読み取ればいいのか。私たちはイエスを病気を奇跡的に癒やす方として宣べ伝えているわけではない。聖書からそのように読み取っているわけではない。
- 神の御支配に生きるように招かれているなら、霊的な面での神の力を期待することになる。罪の赦しの福音を語るなら、罪の贖いとしてのイエスの死、十字架だけ語っていればよい。聖書でこのような癒やしの物語を読む意味は、霊的ないやしを期待すべきことを教えているのではないか。霊的な癒やしの第一は、罪からの清め、罪の支配からの自由、解放である。
(聖書に聞く)
☆神はいかなる方か
- <御子>耳の聞こえない人を聞こえるようにさせる方。舌の回らない人を自由に話すことができるようにさせる方。
- <御子>その出来事を見た人たちに、口止めをする方。
☆神が私たちに求める生き方
- <警告>イエスが口止めされたなら、話さないこと。
(神の導き)
☆祈り
- 天の父なる神さま、この物語を読むのは私たちです。どのように読んだらいいのでしょうか。私たちはここに書かれている主イエスのいやしの出来事を誰かに積極的に話そうとは思いません。自分で見たわけでもないし、現代の人は聞いても受け入れないと思います。
- 主イエスが聞こえない人を聞こえるようにしたこと、うまく話せない人を話せるようにしたことに注目します。不便を感じていた人がいやされ、喜びました。それは神の力による癒やしの出来事であり、恵みの出来事でした。神の国のしるし、神の御支配のしるしでした。このしるしを見ないなら、主イエスは奇跡を行う治癒者にとどまってしまいます。私たちは主イエスが神の御支配を宣べ伝えていると受けとめます。
- 神の御支配は、私たちの場合は、霊的な領域に現れると信じます。聖書を神の言葉と信じる、これも救いに関わる霊的な出来事です。み言葉に従って生きる、これも霊的な出来事です。罪に打ち勝つこと、罪から清められること、これも霊的な出来事です。
- あらためて、霊的な出来事に期待すべきことを教えられる思いがします。私たちが生きている世界は、残念ながら罪が支配している世界です。ロシアの軍事侵攻は、身勝手な理屈を作り、他国を侵略し、町を破壊し、他国民を殺すなど、とんでもない行いです。福音なんて何の役にも立たないと悪魔が笑っているような気がします。
- 神の御支配の中に生きる者として、私にできることは祈りです。時に祈ってもむなしさを覚えたりします。だからこそ、霊的な戦いへの参加のチャレンジを受けているように思いました。私の力は小さいです。だから小さい働きをすればいいですね。悪魔に対する霊的な戦いと位置づけてロシアの軍事侵攻を覚えて、祈り続けます。
☆与えられた導き
- 軍事侵攻を覚えて、祈り続ける。