マタイ福音書 1章1~17節 神の救済史

2023年4月11日

(内容)

  • アブラハムからイエスに至る系図が書かれている。

(黙想)

  • アブラハム、ダビデというイスラエルの歴史で重要な人物の名がイエス・キリストに関係づけられている。イエスはアブラハムの子、ダビデの子と呼ばれる。
  • 神はアブラハムに言った。

創世記 22:18
地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。

  • このアブラハムに対する神の約束は、イサクに対して(創世記26:4)、ヤコブに対して(28:14)に受け継がれている。地上の諸国民は、アブラハムの子孫によって祝福に入る。
    この約束はイエスにおいて実現したとマタイは語る。イエスはすべての人を神の祝福の中に招くためにおいでになったのである。

ガラテヤ 3:8
聖書は、神が異邦人を信仰によって義となさることを見越して、「あなたのゆえに異邦人は皆祝福される」という福音をアブラハムに予告しました。

  • パウロは、神の祝福に入るとは、信仰によって義とされることだと語っている。イエス・キリストを信じる者は義とされ、神との間に平和を得る、これがキリストによって与えられる救いであり、祝福であるとパウロは語る。
  • ダビデの子について。神はダビデにダビデの子孫に王国を継がせ、その王国はとこしえに続くと約束された。またエレミヤを通して

エレミヤ 23:5~6
見よ、このような日が来る、と主は言われる。わたしはダビデのために正しい若枝を起こす。王は治め、栄え/この国に正義と恵みの業を行う。
彼の代にユダは救われ/イスラエルは安らかに住む。彼の名は、「主は我らの救い」と呼ばれる。

  • イエスという名は「救い」「ヤーウェは救い」を意味している。エレミヤの預言はイエスにおいて成就したということができる。
  • この系図は、神の約束の実現を物語る。ルカもイエスの系図を書くが、その系図はアダムまで遡る。マタイはアブラハムを系図の最初としている。ルカはイエスが世界のすべての人の救い主であることを示している。マタイは、神の約束の実現として救い主の到来を告げる。ユダヤ人向けに福音書を書いていると言える。
  • アブラハムからイエスに至るまで、長い時間が過ぎている。ダビデは、紀元前1000年前後。アブラハムは紀元前1800年頃とも言われる。
  • 神の救いの計画は歴史の中で起きている。そして今、私たちも神の救いの歴史の中におかれている。人類の歴史は、神による救済史である。この歴史はキリストの再臨を目指している。
  • 主イエスが生まれてからすでに2千年が過ぎた。教会の歴史は2千年に及ぶ。この歴史の中で、教会は神の教会としてすばらしい姿をいつも見せてきたとは限らない。教会は福音を宣べ伝え続ける。その歩みはいつも順調とは限らない。
  • カトリックとプロテスタントに分裂するという出来事が起きたし、プロテスタントでも、さまざまな教派に分かれている。この日本にも福音が宣べ伝えられ、日本各地に教会ができた。しかし今、教会は存続の危機にあると言っても過言ではない。教会員の高齢化により、礼拝に集う人が減少している。この減少が続けば、どうなるのか。教会は歴史という大海を航海する船のようなものだ。色々な状況に見舞われる。しかしキリストをかしらとする教会は、どんな時も神の御手によって支えられている。クリスチャンは謙遜に神を礼拝し、信仰に歩み、キリストを証ししていくことが大切である。これを続ければよい。

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方か
  • <御父>歴史の中で、ご自身の計画、人類救済計画を行われる方。すでに救い主を遣わされた方。
☆神が私たちに求める生き方
  • <教え>神の御支配を信じ、神の計画の進展を信じ、置かれた場所で信仰者として生きていく。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神さま、主イエスに至る系図を見る時、歴史全体があなたの人類救済計画であることを思います。私は歴史の中の一部の期間、命を与えられ生きているに過ぎません。教会は、色々な状況の中を生き抜き、福音を宣べ伝え続けています。それは今も変わりませんし、教会は時代に応じ、置かれた状況に応じた課題を抱えています。教会の歩みは決して順調とは言えないものだと考えます。いつも困難を抱えながら、あなたに信頼して福音を宣べ伝え続けましたし、これからもまた伝え続けていきます。
  • 私は牧師としての現役の働きからは退きましたが、説教する機会を時に与えられますので、そのときには福音を伝えたいと思います。
  • 私が生きている21世紀という時代も問題の多い時代です。あなたに信頼し、福音の希望をおいて生きていきます。月末に説教の機会が与えられ、今、準備をしています。何を福音として伝えるのか、明確にできるよう、聖書を読み、深く思いめぐらしたいと思います。今日もその準備をしますので導いてください。あなたの救済の歴史の中でささやかですが用いられるものとして信じ、準備をし、説教をします。導いてください。
☆与えられた導き
  • 説教の準備をする。

 

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